綾里プロジェクト

こんにちは!

m2吉田です。

先日の7月12〜13日、綾里プロジェクトで、青井先生、石榑先生、東大の岡村先生とご一緒して綾里に行ってまいりました!今回の訪問の目的は、去年の実測調査を清書した図面をお届けしに行くことと、今年の8月の調査のお願いのご挨拶をすることです。


■綾里プロジェクト
ご報告の前に、今までブログに書いてなかったので(本当にすみません…)青井研が参加している綾里プロジェクトについて説明したいと思います!

綾里は、岩手県大船渡市の沿岸部に位置する5つの漁村集落からなる地域です。東北の太平洋沿岸部ではリアス式海岸を持ち、1896明治三陸地震津波、1933昭和三陸津波、1960チリ地震津波、そして2011年東日本大震災、と過去に何度も大きな津波を罹災してきました。昭和三陸津波の後、政府が初めて主導して各集落ごとに高台移転を行い復興を遂げたのですが、綾里ではその時高所移転をした地域(復興地)のほとんどが2011年の津波の被害を免れました。昭和三陸津波の復興過程を貴重なモデルケースとして詳細に明らかにし、地域の人に語り継ぐため、今後日本のどこかで津波を罹災したときに参照するためにアーカイブ化しよう、というのが本プロジェクトの目的です。

津波常襲地における50年後を見据えた津波リスク軽減方策とその伝承に関する研究
研究課題番号:26282113
代表者
2014年度〜2015年度
饗庭 伸
研究者番号:50308186
首都大学東京・都市環境科学研究科・准教授

首都大学東京の饗庭伸先生を代表に、複数大学合同で、文化人類学や社会環境学、都市計画など様々な視点から研究を進めています。私たち明治大学東京大学は、空間チームとして、昭和三陸津波のあとどのように高所移転していったのか、どんな風に家を建てたのか(復興住宅)を実測やインタビューから明らかにしていきます。


■図面のお渡し
去年空間チームは綾里のうち3つの集落で調査をさせていただき、試行錯誤しながら図面を清書していきました。

今回お渡しした図面はこちら!!
全部で10軒分でしたが、1枚お渡しした後なので9枚です。

並べると去年の成果が形になったのがよく分かってすごく嬉しくなりました。
図面と額縁を別々に持って行ったので、リアスホール(設計:新居千秋)の一角で中身を入れさせていただきました(ご迷惑おかけしてすみません)。ちょっとはしゃいで写真撮影。

一日で10軒のお宅におじゃまして、図面のお届けと去年のお礼をしてきました。


■今年の調査のお願いのご挨拶
2日目は、今年の8月の調査のお願いのご挨拶に伺い、集落を案内していただきました。


こちらのお宅は昭和三陸津波より前からある、とても貴重な住宅です。今年も皆様のご協力のおかげで、とても充実した調査をさせていただけそうです。


■綾里にて展示会:2015.09.19〜22
また、今年の9月19日〜22日の4日間、綾里の湊という集落の復興住宅の一軒をお借りして、小さな博物館というかたちで綾里プロジェクトのこれまでの成果を展示会を開催します。詳細はまた改めて告知させていただきますが、皆様お誘いあわせの上、是非お越しいただけたら幸いです。


最後になりましたが、お宅の実測や聞き取りの調査に快くご協力くださった綾里の皆様、本当にありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。このプロジェクトが綾里の皆様や、今後津波を罹災してしまう地域に少しでも役に立てるよう精一杯励んでまいりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


M2 吉田郁子