2012年度三陸調査

青井研究室では2011年4月に三陸地方の津浪災害からの集落の再生、復興の記録である「三陸海岸の集落 災害と再生:1896, 1933, 1960」を作成、公開し、2011年9月に第一回の現地調査を行いました。
今年度はすっかり寒くなった11月半ばに4名で三陸に向かいました。

まずは盛岡にて県立図書館と県庁の永年保存書庫にて資料を収集。

県と各町村のやり取りの記録

実際に建てられた教員住宅。今は改装されて市営住宅となっているそうです(住民談)。


夜は釜石で仮設「呑兵衛横丁」へ!

1958年頃に製鉄所沿いの水路に蓋をして横丁を形成していたそうですが、津浪で流されてしまいました。
渋谷「のんべい横丁」等が支援し、現在15店が営業しています。
私達が入った「美味しんぼ」は、料理上手で素敵なママと楽しいお客さんのいるあたたかいお店でした。
三陸産の魚介と釜石の日本酒に舌鼓を打ちつつ、震災時の話等を伺いました。


最終日は釜石から一旦北上し、吉里吉里から南下。
昨年は田老から只越までの40以上の集落を回りましたが、
今回は、主に吉里吉里、唐丹本郷、花露辺、両石、崎浜、浦浜、綾里、大船渡、細浦、高田、只越等を回りました。
1年振りの訪問にも関わらずほとんど変化が見られず、復興復旧の困難さを思い知らされました。
とはいえ、漁港には新しい漁船が複数停泊しており、少なからず復旧の様子を確認することができました。


都市部では仮設横丁や仮設商店街が形成されていたり、吉里吉里にはセルフビルドされたcafe&barがあったり、移動販売らしき車が路肩に停まっているのを見かける等、何もかも流されてしまい、基礎も一部では撤去されてしまった津浪の痕跡がいまだ消えない被災地に都市的活動が見られ、都市の再生機能を垣間見た気がします。

今後も三陸沿岸の集落の再生、復興を追って行きたいと思います。

M2森山