サブゼミB班 1週目

5月22日、B班のサブゼミ(自己と非自己)が始まりました。
課題図書は、多田富雄『免疫の意味論』(1993 青土社)です。
発表者は、石榑、林、吉田、城、でした。

今週は、1〜5章までを発表しました。

第1章では、この本の最初の部分に紹介されていたキメラの実験について発表しました。
①ニワトリの羽をウズラのものにしたケース→死
②ニワトリの羽と胸腺をウズラのものにしたケース→生
③ニワトリの脳をウズラのものにしたケース→死
まさか、脳が免疫系によって、拒絶されることになるとは。驚きです。
胸腺がどうやら、免疫を語るには、重要みたいです。

第2章は、胸腺とそこでつくられるT細胞についての発表でした。
T細胞の認識プロセスのイラストがとてもわかりやすかったです。
自己と非自己の差異でしか認知されないということに関して、先週までのベイトソンでの差異の話と絡んだ議論がおこなわれました。

第3章は、B細胞というものについて、またネットワーク説という考え方についての発表でした。
未知の抗原に対してどうやって備えているのかというと、実は抗体の大量のバリエーションで対応していたのでした。
それらが、ネットワークの構造をもっていて、平衡状態にあるという考えがネットワーク説でした。
平衡状態、動的平衡などについて議論されました。

第4章は、インターロイキンについての発表でした。
細胞間の情報伝達にはインターロイキンがはたらいているようです。
ここでは、コンテクストというワードが飛び交っていました。
コンテクストの設定や読み取りについて、議論されました。

第5章は、超システム(スーパーシステム)についての発表でした。今週の山場です。
超システムとは、自己言及を繰り返して自己組織化していく動的なしくみのことです。
指示者、マスタープランが存在しないしくみです。
目的ということについて、ベイトソンの犬の話、創発(アリの巣)についてなど、さまざまな議論が展開されました。


B4 城