サブゼミC班 第2回発表

こんにちは!かんこです!
サブゼミC班の第2回発表について報告します^^


今回の発表は前回の発表『復元思想の社会史』を踏まえて
『現代の建築保存論』鈴木博之著(王国社)と『すまいろん2009夏号・特集「継承の知恵:保存・再生・無意識」』を参考に都市の中心部に建つ歴史的建造物の保存について考えていきます


これらはいわゆる寺社仏閣、観光地における復元建築のようなそれ自体が観光や街づくりの要として貢献している建物とは違って、
保存に必要な修理のコストや現在その土地で開発可能な容積率と現状のビルの床面積との乖離などの負担を所有者ひとりに負わせてしまうという問題があります。


かたちの継承だけの保存ではメリットがデメリット・リスクに対して十分でないというのが都市部における建築の特徴だと考えられ、
そこで都市部の歴史的建造物は建物をどう「活用」していくのかが保存計画を考える上で重要なポイントになると言えます。


また、事業性の負担を軽減するための制度として、「重要文化財特別型特定街区制度」(文化財を保存する際、都市への貢献の保証として500%の容積率の上積みを認める制度)などが挙げられます。

この制度を利用して建てられた建物はとても面白い形態をもっていて


この写真のように保存された建物(この写真では日本工業倶楽部)から新しい近代的な超高層ビルがにょきっと生えているような形をしてたりします。
班では、これは事業性っていう社会的な欲求を消化するために、日本工業倶楽部がこういう形に化けたって考えるとおもしろいね〜という話になりました。


プレゼンのなかでもこの写真は話題をあつめ、これを建物が進化した形と考えると、
超高層は進化の末端で身動きが取れなくなっているし、実現した瞬間に終わってるんじゃないか?という意見が出ました


いままで考えていたのは主に「近代」の建築の話だったので、じゃあ「現在」建っている超高層たちは保存されていくのでしょうか?と聞かれてハッとしました。
個人的には超高層に代わる建物の形の想像がつかず、都市に超高層が無くなっていくビジョンは湧かなかったのですが(地下に伸びていったりするのだろうか?笑)
もし構造上の問題が出てきた超高層が膨大な予算をかけて保存されるとしたら、都庁のように公共的価値があり、建築史のなかにおいても重要であるとみなされるものくらいではないかな、というのが私の超個人的意見です


ちなみに日本で一番最初に解体された100mを越えるビルは菊竹清訓さんの設計したソフィテル東京(wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%86%E3%83%AB%E6%9D%B1%E4%BA%AC)らしいです。ここはソフィテルの移転に伴って、三井不動産に売却され跡地にはタワーマンションが建っています。


あと、超高層の解体工法について気になって調べてみたらスーパーゼネコン5社の新解体工法について書いているブログ記事があったのでよかったら参考にどうぞ

http://building-pc.cocolog-nifty.com/helicopter/2012/01/post-c1b1.html



話が随分それました笑



すまいろんでは、建築家が保存という問題をどうやってデザインの中に取り入れていくのかという大島信道さんの話や、いわゆる歴史的建築物と見なされない「民家」が一般の人によって無意識的に保存・継承されていくという中谷礼仁先生の話について考察しました。


また梶山秀一郎さん(京町屋 祖形絶対主義)と青井先生(台湾町屋 ゆるやかな変化容認)の町屋の継承についての議論をもとに、継承とは何かということについて議論を深めました。



という自分の担当分野ばかり掘り下げた記事ですみません。。笑
スキマ論など、班としても自分自身も次回にむけて多くの宿題がのこる発表でしたが、やっぱり自分の班の発表は班内で1度議論して納得したことを全体で議論できてすごく楽しいです(それによって自分がちゃんと理解していなかったことが判明する場面も多々ありますが(@_@;))
次回発表もがんばります!




おしまい☆