サブゼミC班発表

発表からものすごく時間がたってしまいましたが、サブゼミC班、先行形態論の発表を行いました。
第1回は『都市とは何か』(岩波書店)から、中谷礼仁先生の「場所と空間 先行形態論」について発表しました。


そもそも「先行形態論」て何?という話ですが、簡単に言うと、現在というのは過去が積み重なってできたものである。
つまり過去こそが現在、ということです。そしてその過去の事物をここでは「先行形態」と呼んでいます。

たとえば古墳で有名な大阪の堺地区。古墳というと普通、大昔のものと考えてしまいますが、街を歩いてると実際に古墳は現存します。
そしてその大きさや特殊な形状が、道を蛇行させるなど現在の都市に影響を与えています。
ポイントは先行物の「かたち」が残ってしまうということ。
さらにそれらは意識的に保存されたわけではなく、「無意識」に残ってしまっているものがほとんどだということ。
つまり建物の寿命は人間のそれよりはるかに長いため、結果、当初の目的が忘れられそのかたちだけが残ってしまうんです。

発表ではまず「場所と空間とは?」から始まり、章ごとに事例を挙げ、最後に先行形態を読み解いてデザインに転用した「先行デザイン」の例として、丹下健三広島平和記念公園を説明していきました。


この「先行形態論」、とても読みやすいし量も30ペー程なんですが、議論すればするほど内容が深まっていって、C班全員で話し合った結果、当初はほかの文献も取り上げるつもりだったのがこれ一冊になってしまいました。



ということで第1回はこんな感じでした。blog書くのが遅くなってしまってほんとにすみません…
それから、次に出てくると思いますが、中谷先生がこの他にもいくつか本を書いてらっしゃいますので、是非読んでみてください。

M1 深町