サブゼミb班第一回

昨日はサブゼミb班の一回目の発表が行われました。b班の課題図書は「創発ー蟻・脳・都市・ソフトウェアの自己組織化ネットワーク」(スティーブン・ジョンソン 2001)です。


まず創発について粘菌が例としてあげられています。

粘菌は独立した単細胞ユニットだが、ある条件下(涼しくなって食料が多いとき等)では集まって単一の生物として行動する。ペースメーカー細胞の命令に従うのではなく、個別の細胞が自分の周辺の評価に基づきフェロモンの量をかえ、互いに痕跡をたどることにより集積を開始する。
また本書であげられている創発行動の条件は以下のようである。
ボトムアップシステムであってトップダウンではない。
・複雑な適応システムで創発行動を示している。
・一つのスケールに宿るエージェントが一つ上のスケールで見られるふるまいを創り出す。
・ローカルなエージェント同士の複雑な並列相互作用で高次のパターンが生じる。

第一章から第七章で述べられていることを簡単に説明すると
第一章:創発世界の大成果の紹介(蟻の集団行動)
第二〜五章:各分野の中心的な原理(近隣相互作用、パターン認識、フィードバック、間接コントロール
第六〜七章:人工創発の未来、メディア体験と政治運動がトップダウンではなくボトムアッップで形成されるようになったとき何が起きるか。

といったような内容です。
第二回では、「アメリカ大都市の死と生」(ジェイン・ジェイコブス)と「コラージュ・シティ」(コーリン ロウ、フレッド コッター)をについて発表する予定です。

B4滝沢