曵家現場取材



「曵家」という言葉をご存知だろうか?「曵家」とは、建物などの重量物を解体せず、原形のまま移動させることをいう。青井研究室では春から、曵家の調査を始め、株式会社恩田組の恩田忠彌会長に何度かお話をうかがった。その内容の一部は、夏頃にしっかりとしたかたち紹介できると思う。
今回は曵家施工現場を紹介していただき見学にうかがった……のだが、残念ながら連絡がうまくつながっておらず、職人さんへの取材は実現しなかった。また、出直しですな。
と、言っていても仕方ないので、事前の情報と見た限りで得られた情報をすこし報告する。
上の写真は、木造二階建ての住宅を敷地奥方向へ数メートル曵く工事現場で、現在の建物のフットプリントの位置と異動後の位置が重なるため、基礎は新設せずに基礎ごと持ち上げ移動する。見学した時は、建物を土地から切り離す作業の途中であった。曵家をする際の作業割合は、準備が50%、移動が30%、据え置く作業が20%と、建物を持ち上げ曵く準備をする段階が一番手間がかかる。この現場では、土台から上を持ち上げるわけではなく、基礎ごと持ち上げるため、建物と土地の間に元々隙間があったわけではなく、一般的な木造住宅の曵家工事よりも準備に手間がかかる。(土台から上を持ち上げるのであれば、基礎と建物の間には隙間が存在する)
残念ながら、今回現場でわかったことはこのくらいであった。とりあえず、現場取材に関しては少し考えねば。

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