金沢シーサイドタウン

横浜市の郊外団地「金沢シーサイドタウン」に皆で見学に行ってきました。参加者は学生4人+青井ファミリー4人。人数同じ!(笑)

横浜より南側、シーサイドライン(モノレール)で海沿いに行ったところです。横浜と八景島の間と言えば分かりやすいでしょうか。非常に緑豊かな団地です。


できたのは1981年。M1miyachiが研究対象としているグリーンヒル寺田(東京都八王子市)とほぼ同時期で、第1期は槇文彦、第2期には大高正人・神谷宏治・内井昭蔵・宮脇檀・藤本昌也と蒼々たる顔ぶれです(敬称略)。この時期の団地計画は低層タウンハウス型のものが比較的多く、近年ノスタルジックに語られることが増えてきた積層ハコ型の“ダンチ”とは風景が大きく異なります。
ここでも歩車分離を徹底することで、豊かな外部空間を生み出しています。グリーンヒル寺田とそっくりですが、幾何学的な道路計画がなされているため、”寺田”よりも直線的な道路や歩道が目立ちます。



団地はモノレールの線路に沿ってつくられているため、駅に直結しています。横浜までも30分程度なので交通の便が非常に良く、今でも活気のある団地です。中央のショッピングセンターはどの店も廃れることなく元気に営業中でした。広場ではフリーマーケットがやっていて、子供たちの元気な声が響き渡っていました。


商店街に隣接して親水広場があります。海のそばなので風が気持ち良い!休憩する参加者たち。


各住戸はいくつかのタイプに分けられ、グリッド上に並べられています。さすが有名建築家の作品とあって、建物のクォリティは段違いです。エッジがシャープで、端正な佇まい。陸屋根の建物はどことなく代官山ヒルサイドテラスの雰囲気を思わせます。



建物同士の間は細い小路が走っています。切妻屋根のテラスハウスはこの時期の団地計画には多い模様。



積層型の集合住宅は、エレベーターをできるだけ使わず、階段室を充実させた中層のタイプが多かったです。中には“寺田”同様、エレベーター+2・3層おきの片廊下のパターンも。





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今回の金沢シーサイドタウンを、以前アップしたグリーンヒル寺田と比較してみると、
[1]建物のタイプは比較的少なめ(というより“寺田”が多すぎ)
[2]建物のクォリティは“金沢”のほうが段違いに良い(さすが!)
[3]道路計画が幾何学的で平面的、トップダウン型の計画(“寺田”は立体的で、微地形を積極的に生かしたボトムアップ型)

といったところ。特に[3]は外部空間の質に大きな違いを生み出しています。“寺田”が丘の上であったのに対して、“金沢”は平坦な埋め立て地であることが要因であると考えられます。この違いは大きな収穫でした。




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そして青井先生は良いパパでした(笑)


M1 miyachi