水谷俊博先生 講演会「まちへ広がる美術館 -アーツ前橋を事例に-」

2月28日18:00より水谷俊博先生(武蔵野大学/水谷俊博建築設計事務所)にご講演頂きました。

「まちへ広がる美術館 -アーツ前橋を事例に-」ということでアーツ前橋のコンペのようすから設計、現場での苦労などさまざまな場面でのお話をして頂きました。また日頃設計をする上で考えていることや、他の物件でのデザインについても交えながらお話頂き大変興味深く聞かせて頂きました。
水谷先生、大変お忙しい中お越し頂きありがとう御座いました。
以下簡単ではありますが、講演の内容をご紹介致します。
プロジェクトの背景として前橋の中心にあるショッピングセンターを駆体はそのまま残し美術館へとリノベーションし、まちに寄与できる公共施設として提案されています。まちへ広がる美術館にするために、まちと連続した回遊性をもった展示スペースが印象的で、カフェなどの交流スペースがまちへと接続できる面路部に設けられています。またそれらの動線に連動するように、床や柱の仕上げが場所によって微妙に変えられていたり、通常美術館で用いられないOSB合板といった素材でカフェスペースなどを仕上げていました。ある完結した世界をいかに演出するかということが一般的な美術館の設計手法であるのに対し、あえて仕上げを粗くみせたりすることで美術館の内部でつくられた世界がまちへと接続し、美術館から発信することが出来るような仕掛けが考えられています。細部にまでこだわることにより、美術館、まち、ひとの関係性を創りだしていくという提案は、都市と建築の在り方の可能性を提示されておりました。
また建物の設計だけでなく、アートのまちのグランドデザインなど、まちに対する提案もご紹介頂きました。
当日は、本研究室の学生だけでなく武蔵野大学の学生さん方に足を運んで頂き、また講演会後の懇親会にも参加頂き大変盛り上がりました。
みなさまありがとう御座いました。

M1滝沢皓史