ゼミ旅行2012 岡山・香川・徳島
9月16日から19日の3泊4日で、ゼミ旅行に行ってまいりました!
神代雄一郎のデザインサーヴェイで最初に調査したという女木島の現在の姿を見たい!ということで、今回は岡山・香川・徳島の瀬戸内海まわりを巡ってきました。
【1日目】
大原美術館分館:浦辺鎮太郎 1961
倉敷国際ホテル:浦辺鎮太郎 1963
倉敷市庁舎(現 倉敷市立美術館):丹下健三(浦辺鎮太郎)1958(1983)
倉敷アイビースクエア:浦辺鎮太郎 1973
岡山駅に集合し、一路倉敷へ。
まずは普段は入ることのできない有燐荘の中を案内していただきました。
アール・デコの洋間から中国風、和室、茶室まである折衷様式の住宅。
倉敷一帯の大地主の住宅だけあって、豪華で見どころたっぷりでした。
午後は大原美術館分館、倉敷国際ホテル、倉敷市立美術館、倉敷アイビースクエアの浦辺鎮太郎シリーズ。
浦辺鎮太郎は倉敷出身の建築家として、大原家とともに新たな倉敷らしさを作り出した建築家です。
外観のコンクリート打ち放しの迫力とは裏腹に、内部には手の込んだディティールが随所に見られました。
T沢さんの影響か、街並みよりもその隙間とか奥ばかり気になっていました。
その後瀬戸大橋を渡って丸亀へ。
想像以上にお店がなく、やっと見つけた飲み屋でGさんも合流。
【2日目】
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館:谷口吉生 1991
坂出人工土地:大高正人 1968
瀬戸内海歴史民俗資料館:山本忠司 1973
香川県文化会館:大江宏 1966
2日目は朝から瀬戸内海と谷口吉生と芸術にふれてうっとりまったり。
5.3mのレベルに人工地盤がつくられていて、地階には商店と駐車場と劇場があり、地盤の上は住居になっています。
人工地盤のさらに何層か上に広場があったり住居部分は迷路のように入り組んでいて、この地盤の上に不思議な密度感が生まれていました。
上はノーマルな団地のように見えるが、実はデザインされているところもあったり。
午後は降ったりやんだりの天気の中、高松市内めぐり。
60年代あたりの建物にだいぶ見慣れてきたところで、香川県立体育館。
後から塗られてしまったようですがクリーム色の存在感と局面の格子の構造の迫力が凄まじい。
市庁舎、県庁舎と同じ人がほぼ同年代につくったとは思えないものでした。
夜は高松の丸亀町商店街で。
最近再開発された丸亀壱番街のすぐ近くで、人が比較的沢山いてにぎわっていました。
【3日目】
豊島
島キッチン:安部良 2010
女木島
朝市のフェリーで高松港から豊島へ。
瀬戸内海の海はトーンが明るくて、その中に島がぽこぽこ浮かんでいてとてもきれいでした!
豊島はレンタサイクルに乗って移動。
まずは島キッチンへ。
あいにく定休日で営業はしていなかったけれど、その分近くで触ったり観察したりできました。
素材も構造もとてもシンプルで、風で動いてしまったらまた直せばいいというスタンスがこの島によくなじんでいるようでした。
さらにサイクリングを楽しみながら奥へ進んで豊島美術館へ。
電動とはいえレンタサイクルでも坂がきついような道で、調子が万全ではなっかった先生に無理をさせてしまいました。(すみませんでした。。)
真っ白い大きな空間に、水滴と光と風がとても心地よくいつまでもそこにいたいと思わせる素敵な美術館でした。
次は女木島へ。
港についてすぐ、屋根の軒くらいまである高い石垣の連なる風景。
神代雄一郎が集落調査してから45年経った現在でも、その当時の建物が残っていました。
しかし空家となっているところが多く、再び中に入って調査するのは難しいものも多くありました。
過疎が進んだ現在では、当時の祭りがどのように行われているのか、かつて賑わったところはどのあたりだったのか、想像するのは難しいと感じました。
来年の神代展に、女木島の現在の様子も今後の展望として付加したら面白そうと思ったり。
この日は徳島市内に宿泊。
先生不在の中、B4は飲みながら(それでも緊張しながら)先輩方に初エスキスしてもらいました。
まだまだイメージややりたいことがふにゃふにゃな状態なので、ここで一度言葉にしてたたいてもらって自分の考えの甘いところやあやふやなところを自覚しました。
【4日目】
鳴門市文化会館:増田友也 1982
ノートルダム清心女子大学:アントニン・レーモンド 1929
防火建築帯
壽市場
岡ビル
最終日はまず鳴門市文化会館。増田友也が周辺一帯を計画したもの。
コルビュジエの影響を強く受けたと思われるデザインが随所に見られました。
語彙が足りず何とも伝わらないですが、なんといっても階段がいい。
そして建物の構成が、道路側からみられることを意識されていたせいか、写真がかっこよく撮れる!と個人的に思いました。
午後は岡山市内に戻りいろいろ見学しました。
毎年恒例にしようということになった、女子大見学。
レーモンドが設計したままの部分がたくさん残っていて、特に規格品でない照明や鎖やスチールサッシなどその場所に合うように作られたものが全体の明るくて清らかな女子大の雰囲気を醸し出しているようでした。
そして中でも、壽市場の増築を重ねても創建当時の部材が残したまま、それにめり込むようにして新しい建物が建っているのがわかってしまうというのがとても興味深かったです。
夕方に寄ったので現在も使われているのかどうかは定かではありませんでしたが、引揚者たちがひしめき合いながら暮らしていたことが想像できました。
最後に、この旅行でたくさんの建築と素敵な人たちに出会い、たくさん話して、また一歩青井研の距離感が縮まったことを実感しました。
これからもいい密着感で、お互い高めあっていけたらと思います!
B4 さとうあやな