第1回 ゼミ発表 D班

ゼミ発表一周目ラストの班の発表です。


M1林 「同潤会木造戸建分譲住宅からみた郊外住宅地形成史」

内田青蔵 著『同潤会に学べ すまいの思想とそのデザイン』2004 王国社 と経堂に現存する勤人向け住宅について。
研究の中心は同潤会活動中期(1930-1938)の木造分譲住宅事業。個々の住宅の意匠・施工に関すること、
事業が展開していった住宅供給のシステム、その時代のコンテクストなど捉えるべきことは様々なものがある。
それらと既往研究をふまえ、どのように研究のフレーミングをしていくかが重要です。



B4青木 「墓地共有による逆流的コミュニティの発生について」


近年の死に対する態度の変化が「墓友」というシステムによって読み取れる。墓地経営も商業であり、
都市における墓地不足や人口の変化、寺の経営難など様々なコンテクストの変化をもとに利潤追求の為の
新たなサービスやシステムが生まれてくる。今後、「社会的総空間の商品化」というキーワードをいかにして
「墓友」を通じて青木自身が消化していくのか。
この研究をもとに卒業設計に望むなら、これらのような商業的なシステムのデザインと建物(もしくはランドスケープなど)の
デザインをどのように結びつけて形をつくり出していくのかが楽しみです。



B4朝香 「近江神宮(仮題)」


近代神社の外部細部装飾における地域関係性を探る。研究対象である近江神宮昭和13年内務省によって創立が
決定される。神社のデザインは極めてモダンなものであり、デザインのソースとして(おそらく)鎌倉〜室町時代
シンプルで質実剛健な造形をベースにしつつ、その土地の地域性を表現する為に周辺の寺社から細部装飾などのデザインを
引用していたのではないかと考えられる。発表から想像される8ヶ月間でこなさなければならない作業量のヤバさハンパないです。
ガンガン頑張ってください。あと、古建築実習のガイドも頑張ってください。



M2肥後 「フランスの世界戦後復興期における地方都市の再建」


前回の山中の発表から、フランスにおける都市復興はどのようなものであったかを調べている途中経過の発表。
発表のソースは1979年に書かれたプザテリ氏の論文。当然のことながら行政のシステムなど様々なことにおいて日本と異なる為に
見逃していたことを調べ直す必要がありそう。しかし、この作業は日本とフランスを比較しながら観察することで現地の人々が
気づくことのできていない点に気付くきっかけになるはずです。


最近のブログの更新ラッシュから、研究室の活動がより活発になってきたことを感じています。
これからもっとペースアップして研究も部活もすすめていきましょー。


やまうち