「ロンドンの水辺再生—フローティング・ヴィレッジへの挑戦」レポート

昨日、山中が陣内先生から教えていただいたシンポジウムに参加しました。
シンポジウムの前に、陣内研の根岸さんに神楽坂を案内していただいて初めて歩いたんだけど、同じ外堀の曙橋と四ッ谷の間とはまた違っていて、あんこへの商業の進出は大きくそれでいて道の形態(あんこ内部)は不整形であり、更新(多くはマンションへの建て替え)も進んでいて雰囲気がかなり違った。また、時間があるときに歩きたい。。。
その後、堀に沿って歩きながら「都心部を歩くと、堀へ(川)の開放感をすごく感じますね」というような話をしながらシンポジウムに向かった。

シンポジウムは、その都市における川の存在を高く評価し、そこに船で住むことを目的としたプロジェクトの話であった。
テムズ川では1800年代、2000を超える船がロンドン付近に停泊し、船の上を飛び移っていけば対岸へ行けるというほどであった。それが、20世紀になり運輸業が船からそれ以外の方法に代わっていくと、船は減少し、川辺の空間も運輸業のための倉庫から、高級マンション・ホテルへと変わっていったという。このプロジェクトは、使われなくなった都市内の川辺空間を活性化させようという趣旨と、歴史的な価値のある船舶を保存するには「住む」ということが一番の方法であるという考えのもと進められた。もちろん、都市の土地から独立した、開放感のある都市居住を行いたいという住民の欲望が根底にあったのだが。
シンポジウムでは浮き桟橋の権利取得から、行政とのやりとりに主題を置き展開された。この桟橋は18人の歴史的な船のオーナーが会社を組織し、コーポラティブ(全員が対等な関係)として建設が行われ、合法的な船上居住を可能にしたものである。特に面白かったのは、桟橋下には、各船に接続された排水設備・上水道・インターネットなどのインフラが内蔵され、土地の上に住む都市居住と遜色ない生活を実現しているが、その生活は都市から独立した開放感のあるものであること。そして、ここでの住居(船)はみな海外への長距離航海も可能な設備を備えたもので、桟橋から切り離せば海へ出てどこへでも行けるということだ。タワーブリッジ付近というロンドンの中心であり、景観としてもすばらしいところで都市居住をしながら、その生活は極めて自由度のあるものであると感じた。
今回聞いたプロジェクトは、計画であり自然発生的な都市形態ではない。しかし、前期に水上居住を追い、後期はそれを生かした卒業設計を行おうとしている山中にはすごく刺激になったようだった。ますます、山中には期待してしまう(笑)
最後になってしまいましたが、根岸さん神楽坂案内や飲みに連れてっていただきほんとにありがとうございました。


GURE